リーダーの対比
ボスとリーダー
地位だけのボスになること
- ボスは部下に強引に仕事をさせる
- ボスは権威に頼る
- ボスは恐怖をあおる
- ボスは言う「私はね」
- ボスは不始末に対する叱責で対処する
- ボスは仕事の仕方を知っている
- ボスは言う。「仕事にかかれ」
リーダーという人間になること
- リーダーは部下に仕事ができるように指導する
- リーダーはお互いの共感を頼りにする
- リーダーは情熱をあおる
- リーダーは言う。「私たちはね」
- リーダーは不始末そのものに対処する
- リーダーは仕事の仕方を自ら示す
- リーダーは言う。「さあ仕事をしよう!」
リーダーの対比
独裁的リーダー
ボスは、
- 声が鋭い
- 命令
- 力
- 圧力
- 協働を要求する
- あなたがどうすべきか伝える
- 考えを押し付ける
- 支配
- 批判
- 間違い探し
- 罰する
- 私があなたに告げる
- 私が決めて、あなたが従う
- ボスの単独責任
民主的リーダー
リーダーは、
- 声に親しみがある
- 勧誘
- 信望
- 鼓舞
- 協働に引きつける
- 私がどうするかを告げる
- 考えを売り込む
- 案内・指導
- 勇気づけ
- 達成を認める
- 援助する
- 討議する
- 私は示唆して、決めるのを助ける
- チームに責任を分ける
※やる気を引き出す教師の技量 一光社
マネジャーとリーダーの違い
立場上管理者(マネジャー)である校長・副校長・教頭には、変革の時代にあってもっともっとリーダー的な要素を身につけていかなければならない。
「マネジャー」と「リーダー」の違いについて二人の学者の理論を紹介したい。
理論の第1は、経済学と社会学の博士号を持つウォーレンベニス(南カリフォルニア大学経営管理学部教授)の所説(「リーダーになる」芝山幹朗訳 新潮文庫)である。彼は「リーダーとマネジャーの違いとは、状況を把握した人間と状況に降伏した人間の違いではないかー私はよくこのように考える」と言う極端な表現をしているが、次のように列挙しているのを読むと、説得力がある。
- マネジャーは管理者であり、リーダーは改革者である。
- マネジャーはコピーであり、リーダーはオリジナルである。
- マネジャーは現状を維持し、リーダーは現状を打破する
- マネジャーはシステムと構造に焦点を合わせ、リーダーは人間に焦点を合わせる。
- マネジャーは管理に頼り、リーダーは信頼を呼び起こす
- マネジャーは目先にこだわり、リーダーは長期的な視野を持つ
- マネジャーが問題にするのは「いつ、どのように」であり、リーダーが問題にするのは「何を、なぜ」である。
- マネジャーの目は損得勘定に注がれ、リーダーの目は遠い未来に注がれる
- マネジャーは模倣し、リーダーは創造する。
- マネジャーは現状を受け入れ、リーダーは現状に挑戦する。
- マネジャーは古典的なよき兵士であり、リーダーはその人自身である。
- マネジャーは物事を正しく理解し、リーダーは正しいことを実行に移す。
理論の第2は、ハーバードビジネススクール冠松下幸之助講座の教授ジョンPコッターの所説(「企業変革力」梅津祐良訳 日経BP社)である。彼は、マネジメント機能とリーダーシップ機能を比較して次のようにまとめている。
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マネジメント
計画立案と予算設計:予定された成果を達成するための詳しいステップと予定表を作り、それらの進行に必要な資源を割り当てていく。
組織化と人材配置:計画からの要請を達成していくための組織構造を作る。さらに組織に適切な人材配置を行い、計画遂行の責任と権限を割り付けていく。人材をガイドするためにポリシー、規則を作りまた実行過程をモニターする方法とシステムを作る。
コントロールと問題解決:詳しく計画にj対する実績をモニターする。計画からの逸脱を発見して、これらの問題を解決するための計画化、組織化をはかる。
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確実性と秩序を築き上げる。また、各種のステークホルダー(利害関係者)の期待する主要な成果をいつの場合にも実現していく能力を示す。(例えば、顧客に対して納期を守る、株主に対して予算内でビジネスを進めるといった例)
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リーダーシップ
方向を設定する:将来に向けてビジョンを作り(かなり遠い将来まで見越した)、これらのビジョンを達成するうえで必要な変革を実現していくための戦略を設定する。
人材をある方向に向け整列させる。協力を求めるべき人材に対して、進むべき方向を言語と行動でコミュニケーションしていく。さらにビジョンと戦略をきちんと理解し、かつその妥当性を認めるチームと協力関係を作り上げていくことに努める。
モチベーションと意欲高揚:基本的ながら、満たされていない人間のニーズに応えることによって、変革の前に立ちふさがる大きな政治的、官僚主義的、資源上の障害を乗り越えていくよう人材を勇気できていく。
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かなり大規模な変革を進める。また極めて望ましい変化を生み出す(例えば、顧客の喜ぶ新製品を開発する。企業の競争力を高めることに役立つような新しい労使関係の方法を導入するといった例)